ゲハと昔話

男、それは迫り来るハゲの恐怖に怯える哀れな生き物。なので口を酸っぱくしてジダンさんや竹中さんの功績を讃えてハゲていてもアリという世界の構築を目論んでいたのですけども、前提としてジダンさんや竹中さんはハゲを全く隠していないということがあって、その潔さも込みでカッコイイという評価に繋げていた矢先に、ISSAさんが自ら坊主刈りにした。ISSAさんの場合は坊主刈りにして「ハゲを隠さない」という行動がむしろ痛々しいベクトルに進んでしまった例で、これは年齢による部分が大きいと思われたので、ハゲはいいけど若ハゲは救い難き屈辱と言わざるを得ないと思った。実年齢が多少若くても見た目が老けていればこの限りではないのですけども。滝沢秀明さんあたりが今のビジュアルのまま1年後くらいにハゲたらそのショックは計り知れないので、他人事ながら心配になった。
あと俺のバイト時代に入ってきた新入社員に24歳くらいでバーコードになってしまったやつがいて、日ごとに髪が少なくなっていくそいつの恐怖に感情移入したら気が狂いそうになりました。当時俺は28歳くらいでそいつより年上だったのだけど、年齢は完全に逆転して見えていて、俺がそいつに「アレやっとけ。コレやっとけ」と指示を出すと、周りのお客さんが「うわー。あのおじさん可哀相。年下にコキ使われて……。リストラされて飲食店でバイトしてるんだね。世の中って厳しいね」みたいに引くのでいちいち気を使わねばならず、ちょうど月光猿軍団のダウンタウンと今田さんみたいな関係になってて、表舞台では俺が一応部下のごとく振舞って、裏では俺がそいつを小突くみたいなリアルコントが行われてました。しかもそいつは仕事が全然出来なくて常にみんなの足を引っ張るどんくさい子だったので、もうなんか神って奪うときは容赦なく奪うよね。