俺とドラクエ

最後の一花という感じで精根尽き果てるまでやりこんだドラクエ5PS2でリメイク発売されていて、俺は6の時には何かもう燃え尽きたあとの寒々しい気持ちでドラクエをやっていたので、5に対する思い入れは相当にでかい。まずプレイ時間が半端じゃない。まものははぐれメタルを除いて全部集めきって、尚且つ全員レベル最大まで育てて、人間キャラもくまなく最大まで育てた。はぐれメタルは多分1000や2000ではきかない数(多分1万くらい)を倒したのだけど、運悪く仲間になってくれなくてこれだけが心残りで、俺のゲーム史上一番切ない思い出になってる。あとバルバロッサかっこいい。

ドラクエと初めて出会ったのは実はドラクエ1が発売される数ヶ月前で、これは懐古回顧録にも書いたのだけど、正にドラクエ製作中の堀井雄二さんと話をしたのが(←これ人生最大の自慢)最初だった。PC-6001で発売された『ラブマッチテニス』(エニックス主催のゲームプログラムコンテストで堀井雄二さんが入賞した作品。堀井さんの実質的デビュー作)をいかに俺はやりこんだのか、ということを堀井さんに力説していたら、「実は今ファミコンRPGというのを作っているんだよ」と教えてくれた。発売時には興奮のあまり学校を休んでまで買いに行った。そして続けて3日ほど学校を休んでプレイしまくった。

ドラクエ2、3と回を重ねるごとに異常な行列とかカツアゲがヒートアップして、マスコミまで取り上げるようになって、さすがにうちの父親までもが「ドラクエって何なんだ」と言い出すまでにその名前は知れていった。それはまるで、自分自身の存在が拡張されたかのような錯覚を生んだ。別に自分が作ったわけでもないのですけども。

そんな感じで俺にとってのドラクエは、誰も見向きもしなかったTVゲームという閉じた世界を、普通の大人にまで認知せしめた最初の鉄槌、大人の壁をついに突き破った破城槌というイメージになってる。でもその槌は5を最後にポッキリ折れたのだと思う。役目を終えたのだ。勿論俺はとことんまでつきあうけれど。