『アップルシード』を観てきたよ

深夜1時45分という、いつもなら鼻ちょうちんをぷーかぷーか膨らませながら「もう食べられないよ〜」とのび太主張をしている頃合に観たせいで、ところどころ意識がトんでる(幕ノ内一歩の左フックに相当)部分があって、感想もクソもあったもんじゃなくて、もう1回観ないことには話しにならなさそうなのですけども、「漫画や映画やゲームの感想は死んでも書け」と脅す圧力団体が俺の命(タマ)を常に狙ってるのでちょっと書こうと思います書きます。

まず映像なんですけども、『ゼルダの伝説 風タクト』で感じたようなのと同じような感慨を抱いた。つまり、3DCGなんだけど昔ながらのセル画の味わいを持ったスタイル(トゥーンレンダリング、トゥーンシェイド)が「イイ!」ということで、細かく言えば「CGで人間を描く際にありがちなユラユラとした不自然な動き(モーションキャプチャの限界)」「空気がない事による光の屈折の少なさ(平板で鮮やかすぎる色)」は依然としてあって、どちらも人間が静止してると全くCGだとわからない(手描きセルに見える)レベルなのですけど、ここらへんは近い将来には解消されそうで、となるとこのスタイル(手描き風CGアニメ)は今後のスタンダードになるのは間違いないだろうなという感じ。

具体的な解決策はモーションキャプチャで取り込んだ動きを要所要所でビシッと止める、省略する、緩急をつけまくる、ということと、ゲーム『サイレントヒル』の霧の演出のようなものをもっと高度にシミュレートする、ということになると思った。どちらもそれほど難しいことじゃない(と思う)。でも『アップルシード』ではこの空気感(?)をわざと取り去って鮮やかすぎる色にしているのかもしれない。未来社会のイメージをより強くするために。

ストーリーの方はSFとしてとても面白いのですけども、「未来社会はこうなるかもね」という事を2時間に収めるためにくどい説明セリフで垂れ流しにしてる部分が目立っていて、そこはバッサリ捨てて、「こうなってる未来社会ではこんなドラマが起きるかもね」ということをミニマムに(出来ればダークに)描いてほしかったなあと思った。押井作品なんかでは決して見られない割と能天気な(愛って最高!的な)演出が目立って、そこは俺の好みではない。欲張りすぎて話が2時間の映画に収まらないスケールになってると思った。ちなみに俺は原作読んでないので、原作がどのように映画化されたかということはよくわかってなくて、的外れかもしれないですこの感想は。

出色なのは冒頭の戦闘シーンと、終盤のランドメイト対決、クライマックスの多脚砲台、と結局映像の方しか頭に残らなかったのは、俺が夜に弱いおじいちゃんだったからなのかもしれない。

オススメ感想リンク(批判賞賛ごったまぜ)
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