はてなの住所登録のこと(しつこい?)

だとしたら、B案が採択になるに決まってるじゃねーか。意味ねーだろ。どんなにはてな上で議論が起きたって、メールでの意見は圧倒的にB案でした、とかいう望まれる結論になるのは目に見えてるだろうに。いったい何のためのパブリックコメントなんだ。大義名分作りも結構だが、はてな内でのディシジョンメーキングを運営者側が積極的に疑ってどうする。素直に「すまん。個人情報くれ。商売がしたいんだ」と言え。

ものすご〜〜〜〜くイヤなタイミングでTSUTAYAとの提携が発表されて、「これだったのかやっぱり」と疑わざるを得ず、先日「はてなは今後カジュアルコピー(?)みたいな「カジュアル権利侵害」が出来にくい土壌を作る。という宣言なのだと俺は(無理くり好意的に)理解した」わけなのだけども、それがやっぱり無理くりな好意的解釈に過ぎなかったんだと思って(本当にそうなのかどうかは別として)がっかりした。TSUTAYA住所登録は全く無関係だとはてなが主張するならば、このタイミングで出すのはあまりに無邪気すぎると思う。「このタイミングで出したからこそ逆張りで無関係。そこまであからさまなことやらないでしょ」とユーザーは思わない。

はてなは企業であり、利益を追求するのは当然であり、「なんだやっぱ金儲けのためなんじゃん」って俺あたりが子供みたいに拗ねたところで仕方ないのだけど、今回の流れは「ユーザーの権利を守るため、安心して使っていただくための住所登録です」から始まって「悪質な権利侵害の横行があり、個人特定ができない事態を回避するため」となって、最終的にこのTSUTAYAが出てきた。最初と明らかに話が違うところがどうにも嫌悪感を拭えない。先日のパブリックコメントでも書いたのだけど、権利侵害抑止のためなら性別や(正確な)生年月日は必要ないわけで、これが必要なのはTSUTAYAとの提携のためだったのだと思わざるをえない。

じゃあ逆にはてなが最初からストレートに「これからTSUTAYA楽天と提携して商売していくので皆さんの個人情報を出してください」と言ったらどうだったのか、と考えると、これはこれで反発は必至だったわけで、無料で始めてたくさんの会員を集めたサービスから、利益を生み出すのがいかに難しいかということを考えさせられた。

俺は楽天TSUTAYAも(ついでに言えばAmazonも)既に利用しており、全てに実名と住所を登録している。それは「いちいち外に出ないでも欲しいものが簡単に買える」とか「必要な情報が手に入る」とかの利便性と個人情報提供のリスクを天秤にかけたのと、そのサービスの利用に住所が必須であることをちゃんと理解していたからであって(通販なのだから当たり前)、はてなの場合とは明らかに違う。いまだに日記を書くために住所を登録しなければいけない本当の理由はよくわかってない。無理くりな解釈で「サービス維持のための権利侵害抑止のため」と思ってるだけだ。

その解釈で住所登録をおこなったとしても、「大好きなはてなダイアリーというサービスの存続」以外に得られるメリットはユーザー側にはない。少なくとも現時点ではそれ以上のメリットはユーザーに提示されてない。俺は大好きなはてなダイアリー存続のためだけに住所を登録した。

切込隊長の推理が正しいのだとすれば、はてなはまず、これからはじめるサービスによってユーザーがどんな利便性を得られるのか、そのサービスがなぜ住所性別生年月日を必要とするのかを先に説明しないといけなかったと思った。その説明を受けた上で、ユーザーはリスクと利便性を天秤にかける。もしかしたらたくさんの人がはてなを離れるかもしれない。それは俺にとっても非常に残念なことではあるけども、もしかしたら「こんなサービスがあるなら喜んで住所登録するよ」と思う人がたくさん出てくるかもしれない。

こういうのを抜きでまず住所登録してくれと言っても通るわけがない。本当にはてなダイアリーが大好きで、はてなダイアリーの存続のためなら喜んで個人情報くらい差し出しますよという奇特な人(俺含む)以外には。

俺は『はてなの本』の序文で「はてなにはまだまだ何かがあるよ」と書いた。

住所登録の必然性があり、尚且つあっと驚くような利便性を得られるサービスが出てきて、強制するまでもなく我も我もと住所を登録する人が増えて、はてなががっぽり儲かる、という風になってほしいなと思った。ものすごくそう思います。あとすごく何もかもが残念すぎる。

こういうときは囚人写真とかを見て心和ませるしかないと思う。