HALF-LIFE2

まじめで長い話をします。このブログ(?)の横っちょのリンク柱でもレコメンドしている『HALF-LIFE2』というゲームは超絶面白いので全員やってください。

ハーフライフ 2 日本語版 (CD)

ハーフライフ 2 日本語版 (CD)

http://moon.cyberfront.co.jp/title/pc/halflife2/

このゲームがいかにすごいかを説明するとそれだけでひとつのブログが立ち上げられるのですけど、なるべく手短に説明してみんとてするなり。

まず、絵のクォリティがすげえ。これはまあ普通にすごい。見りゃあわかる。人間の表情もリアルすぎる。

次に物体の物理処理がすげえ。どういうことかというと、今までのゲームって、ゲーム中に出てくる物体のほとんど全部が書割だったわけですよ。だからゲームの進行と無関係な物体は、壊したり投げたりできなかったし、仮に壊したり投げたり出来ても、ゲームの進行上不都合のないような壊れ方や投げ方しかできなかった。ここまでいいすか?

HALF-LIFE2の中に出てくる物体は、そのほとんどが現実の物理的法則に支配されてます。物が吹っ飛べば、現実と同じような放物線を描いて吹っ飛びます。下の物を壊せば、上に乗っかっていた物がその重量に応じた落ち方をします。わかりやすいデモ映像があるのでまずはそれを見た方が早い。これです。

http://kowagari.net/movie/phisics.mpg
(動画は全て右クリック→「対象を保存」してから見ておくんなまし)

これはPCのスペックがあがった現在では、単に「物理法則に従った計算を施してやればいい」ということのように思えますけど、だけどそうじゃない。たとえば、ゲーム中に出てくるある重要な物体を動かすときのことを考えてもらいたい。このゲームをプレイする人が100人いたら、100通りのアプローチがあるわけで、方向も違えば距離も違う、強さも違うわけです。これを現実と同じ物理法則で処理したら、その物体がどのように動くかは、もうほとんど作った人にも予想できないわけですよ。同じ人間が同じようにアプローチしたとしても、ほんのちょっとの立ち位置のズレで、物体は思わぬ方向に吹っ飛んでいくかもしれない。そうするとゲームの進行上、致命的な不都合が起きる確率が爆発的に上がってしまうわけです。バグ取りの労力がハンパではなくなる。この問題をきっちりクリアできているところがすげえ。

そんで、ゲーム内の「ルール」を現実に近づけることが、そのままゲームとしてのオモシロさに繋がるかと言えばそうではないのですけども、HALF-LIFE2はゲームとしてのオモシロさも高い次元で実現してる。

次にキャラのAIがすげえ。シーン毎に予め決められた動きをするのではなくて、キャラ毎のAIがそのシーンの地形や環境、こちらの行動に合った動きをリアルタイムで考えて行動する。「それぞれが独立した頭脳を持っていて、独自に行動するピクミン達」を考えてもらうとわかりやすい。そのすんごいデモ映像が下のやつです。虫どもに「あっち行け」という指示を出すだけで、虫が勝手に考えて行動する。敵も敵で考えて行動してる。

http://kowagari.net/movie/phisics.mpg

最後に、世界観がすげえ。高精細なビジュアルとマッチした近未来感がぞくぞくする。生殖行動を禁止(!)された管理社会が舞台で、主人公は解放戦線のリーダーになって行動する。対する民間保安軍には垂直離着陸ができる強力なガンシップや、タカアシガニみたいに脚の長い(多分高さ20mくらい)巨大自走砲などがあって、その市街戦の迫力は、「コレは……、押井映画や大友映画そのものだ。あの世界がゲームになってる!!」という興奮を禁じえない(http://kowagari.net/movie/scene5.mpg)。別のchapterではホラー仕立てになってたりする。難民が隠れ住む鉱山、人間の頭部に取り付いて脳を乗っ取る生物、住人全てがゾンビ化してしまったその鉱山で、罠を張り巡らしゾンビ狩りをする気狂い神父……。書いててぞくぞくしてきますよこっちが。

キーボード+マウス操作に慣れるまでがちょっと大変なのと、PCにある程度のスペックを必要とするところがアレですけども、今までPCゲーやFPS(一人称視点シューティング)に手を出さなかったシトたちにぜひやってもらいたい。これが面白くなかったら俺が金を返します、と言いたいくらいの勢いです(言いません)。

chapter1と6がプレイできるデモ版。(ダウンロード&インストールに恐ろしく時間かかりますけども、それだけの価値はあるので是非やっておくんなまし)