パニックの沸点

夏休み特別企画 すげえ普通の日記を書く試み(冷麺でやれよ)。

先日マンションの外階段を降りていたら(エレベーターが嫌い(なぜ嫌いかというと、マンション住人と乗り合わせたときの気まずい雰囲気がイヤだから(とても30過ぎの男の言う言葉とは思えない(徹底的に引き篭もり体質だと思う))))、後ろを歩いていた嫁さんが突然発狂したかのように叫びだし、何故この嫁は昼日中から斯様な奇声を発するのだろうか、まことに迷惑であることだなあ、と思い、一言「うるさい」と諫めたところ、「ひどい。普通は大丈夫? 平気? とか聞くものである」と反論された。

原因はなんのことはない。階段に転がっていた蝉の死骸と思われたものが、突然ジジジジと鳴いて動き出したからなのだけど、俺にはその動き出したるものが蝉であることはおよそ0.02秒で判別できたので、大丈夫も糞もないわけである。蝉が突然動き出して大丈夫も糞もないのは自明である。何か緊急事が起き、その原因がわからなかった場合であるなら「大丈夫?」とか言うかもしらんけど。そのようなことをいちいち説明するのが甚だ面倒であったのと暑くて口を開くのすら億劫だったので、とりあえずもう一回「うるさい」とだけ言って、その場は終了した。

映画を観たときなども、あからさまなびっくりシーンで嫁はいちいち飛び上がったりするので、そっちの方にむしろ俺がびっくりしたりするわけなのだけど、俺自身はこういったことに対する耐性が高くて、パニックに陥る沸点みたいなものが非常に高い人種なのではないかと自負していた。ところが先日車で外出中、思いがけずパニックに陥った。時速40km程度で走っている最中、突然顔面に硬いものがぶつかってきて、それがまた驚くほど痛かったのである(もちろんオープンカーなどではない。タバコの煙を排出するために30cmほど開けていた窓から何かが飛び込んできたのだ)。何かギザギザしたものがひっかかり、皮膚がひきつれたような痛みが走った。「すわ! 何事!?」と一瞬ステアリング操作も覚束なくなり、運良く事なきを得たものの、自分がそのようなパニックに陥ったことは非常にショックな出来事だった。

で、顔面にぶつかったものはもう予想がつくだろうが、やっぱり蝉で、マジ、蝉うざくね?