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リスの思い出

幼少の頃、近所の商店街にペットショップがありまして、ペットショップっつーより鳥獣店? なんかそんな感じの店で、犬や猫は扱ってないんです。インコとか九官鳥とかリスとか金魚とか亀がメイン。皆さんご存知の通り(知らねえよ)、俺は小動物大好きっ子なので、足繁くかよっておりました。なかでも俺の心をつかんで離さなかったのはリス。それもシマリス。あの敏捷な動きがたまらんのですよね。親に拝み倒して一度だけ飼ったことがあります。しかし子供は檻の外から眺めるだけでは絶対済まない生き物であり、すぐ外に出して触りたがります。そして速攻逃げられました。多分買ってきてから1ヶ月もたなかったと思います。大量に買い込んだひまわりの種とか無駄になった。

ほいで話は全然変わるんですけど、今日外を歩いてたら、なんかものすごく懐かしいにおいがしてきたんです。「ハッ! こ、これは……。まぎれもない! 昔懐かしいあのリスのにおいだ!」 厳密に言うとリスのにおいじゃなくて、幼少時足繁くかよった鳥獣店のにおいなんですけども、俺の中ではそれはリスのにおいと同一なのです。瞬間的にタイムリープしたことは言うまでもありません。店先に置かれたでっかい盥(ハムスターがどっさり入ってました)。怒り口調で「こんにちは」を連発する九官鳥。腋の下で温めて孵化させようと試みたインコの卵。夏休み。プール。アイス。半ズボン……。これが郷…愁……?

思わず視線は風上に向かいました。においの元はどこなんだろうと。そしたら、意味不明の品々をカートに満載し、ホットパンツで見事な脚線美をあらわにしている、年季の入ったホームレスのおじさんがいました。おじさんはリスのにおいでした。なんか、うまく言葉にできませんけど、とりあえずありがとうおじさん、みたいな感じも多少ありつつ、おしっこのにおいから逃げました。おしっこかよ。