『ヒックとドラゴン』を観た

この前トイストーリー3観て、「まあこれを超えるフルCGアニメはしばらくないだろうな」と安心して寝てたら、信頼の置ける筋から「ヒックヤバイ」という話を小耳に挟んで慌てて観てきました。やべーまたナメてた。俺は浅はかだった。

これはですね、子供が観なきゃいけないアニメであると思うんで、ストーリーについてあんまりごちゃごちゃ言うようなことはなくて、とても素直でとてもまっとうな、誰が観てもハッピーになれる映画なんですけど、とにかくクオリティが凄すぎてびっくりしました。ひとつはCGとしてのクオリティ、もうひとつはアニメーションとしてのクオリティです。

アバター以降、今更CGで驚くようなことはないと、これまたタカをくくってましたけど、これ、すげえですよ(農民)。ちょっと説明が難しいんですが、今俺らが生きてるこの現実世界をベースにしたリアリティってものと、個々の映画の物語世界内におけるリアリティってものはもちろん違うわけで、「この映画にはリアリティがない」って断じる場合には、「現実世界と違う」っていうのは理由になんないと思うんですよ。そんなの当たり前じゃん。その物語の中で整合性が取れていれば、それはリアリティがあるってなるわけです。そういう意味において、この『ヒックとドラゴン』はちょっと記憶にないくらいリアルなCGでした。

光ですね、まずは。ライティングがすごすぎる。『トイ・ストーリー3』のアートディレクターを日本人の堤大介さんがやって、柔らかくて優しいライティングが非常に印象的でしたけど、ヒックも負けちゃいない。それと、空気感。映画の世界に「大気」の存在を感じるんですよ。3Dゲームの世界でも今一番重要視されてる要素。この2つの要素のおかげで、デフォルメされたキャラたちが本当に生きててそこに存在しているように感じられる。引きの画とか観ると、もう実写? みたいな雰囲気すらあります。

あとアニメーションとしてのクオリティに関しては、アニメーションに全然詳しくない俺風情が何を言っても説得力ないですけど、気持ちのいい動き? 動きを見ることの快感にあふれてました。俺でも知ってるような言葉で言うと、いわゆる『板野サーカス』ってありますよね。あれとはもちろん全く違うんですけど、この『ヒックとドラゴンの』の一連のアクションシーンにも、板野サーカスみたいなひとつの呼称が与えられてもおかしくないくらいクオリティが高かったと思います。

あと俺日本語吹替え版観たんですけど、ヒック役の田谷隼さんの演技素晴らしかったです。俺みたいにナメてる人は観といた方がいいですゼこれは。