ネタの完成度は高いのだけど、爆発的な笑いとか高度なヒネリとは無縁(言わばベタ)だと思っていて俺の中では評価が低かったアンジャッシュさんが『エンタの神様』でのコントにおいて「エンタの神様のディレクター批判」を行ったので、俺の中で評価がストップ高になった！ 一般視聴者に名前を売るという部分では『エンタの神様』の、番組としての価値は芸人さんにとって非常に高く、『笑っていいとも』レギュラー出演に次ぐ位置に来ていたと思う。この新しい王道に対して、お笑いマニアの視点から番組批判を行ったアンジャッシュさんはもはや伝説の域に入ったと思った。「ネタの最中にネタ潰し同然のテロップを入れる」という、マニア視点から言わせれば許されざる行為を、番組を成立させながら笑える形で批判した手腕は見事と言うほかない。
テロップ早いよなー。オチ、丸わかりだよなー。
『エンタの神様』製作サイドとしては確信犯的な演出でテロップを入れ、一般視聴者にわかりやすいお笑いを作っている(つもり な)わけなのだけど、それははっきり言って視聴者をナメてるとしか言いようがないわけで、俺がここで「一般視聴者」と「お笑いマニア」という区分けをしているのも単に俺の皮肉でしかなく、そういう区分けは実は全く意味をもっていない。ここらへんを鋭く突いたアンジャッシュさんは、他の「一般視聴者向け、エンタの神様向けにわかりやすいネタを用意してきた芸人さん」をも批判していて、俺は感動しましたよお笑い番組で初めて。ただ、そういう反骨精神に対する評価と、お笑いの質に関する評価はまた別なので、アンジャッシュさんは俺を椅子から落としっぱなしにするようなネタを持ってきてもらいたい。そこで初めて真の伝説は生まれると思った。あと福澤アナとか白石美帆さんとかゲストとか「ネタをやらない出演者」はもう一切いらない。いらないですほんとに。
