アニメのこと

昨日の「アニメ業界むかつく」に関して、匿名の自称アニオタの方から長文のご意見をいただいて、俺が読むだけではもったいなさすぎるというか転載OKということなので全文転載させてもらいます。興味深い。このご意見に対する感想とか反論(?)はまた後ほど。あと若干文字化けしてしまっていたのでその部分を補っているのですけど多分文意は変わってないと思う。

アニメ業界の者ではないのですが、何故アニメのDVDが高いのかについて、一アニオタの視点から語りたいと思います。少々文章が長いこと、また、匿名による投稿をご勘弁いただければと思います。 また、この文章は自由に取り扱っていただいて構いません。

まず、TVアニメは1話辺り400人の人手を必要とし、製作費として約2000万円かかり、12話ものだと約2億円以上かかります。しかしながら、そうして製作されたアニメの放映時の視聴率は往々にして高くありません。これは、深夜など視聴者がそもそも少ない特殊な時間に放映したり、首都圏や地方局のみCS・BSのみといった、誰もが見られない特殊な放送局で放送しているなどといった事情によるものです。このため、アニメはスポンサーからの広告宣伝費だけでは制作資金を回収することはできません。なので、現状ではDVDなど含めたコンテンツを販売する事により利益を回収することを前提としてアニメは制作されます。しかし、全てのアニメが万人に対して売れるコンテンツ足りえないこと、広告代理店が間に入るという古来からの習慣によるしがらみ、アニメの製作に投資を行なった複数の企業が「xx製作委員会」などの別名を用いることにより、実体を隠し作品の制作リスクを最小限に抑える委員会方式の採用による利益配分の振り分けの都合などにより、どうしてもアニメのDVDの単価は高く設定せざるを得ないようです。このようにアニメのDVDは主に業界の構造的な要因によりどうしても高くならざるを得ないわけで、ハリウッド映画のDVDと比べるとどうしても割高感を 感じてしまいます。しかしながら、逆に言えば、「マトリックス」以降ハリウッドの映画業界が映画のDVDの値段を破壊してしまったことも原因の一つかと思います。これにより、映画は(特に過去大ヒットした映画は)「ビデオ屋でレンタルするもの」から、「ビデオ屋で購入するもの」にシフトしつつあります。最初に断ったように、私はアニメ業界の者ではなく一人のアニオタなので、アニメのDVDが高いのには当然これ以外にも理由はありますし、ここに書いたことは様々なソースから集めた情報から推測しているだけで、正しく裏がとれてるわけでもありません。ただゲームと一緒に販売し、従来のアニメとは違う販売網を使用することで、値段を下げることに成功しつつある「GUNSLINGER GIRL」という事例もあります。アニメ業界が価格を下げる努力を何もしていないかというと、そうでもないのです。つまり、アニさんが「アニオタが我慢しているからいつまでもアニメのDVDが高い」といった主旨の文句を書かれたことに対し、それだけが原因ではない、といいたい訳です。そもそも、アニメのDVDが高いなら、レンタルで済ませればいいじゃないですか。レンタルでなく、何故DVD全集を買ってまである作品を手元に置いておきたいと思うのでしょうか? コンテンツをただ消費するだけでなく、どうしてそのコンテンツが欲しいのか といった理由についてもっと消費者は追求すべきだと思います。その上で価値と値段を比較することが、ある個人が全ての流れをカバーできる状態でない、現在のコンテンツ乱立時代には必要と思うわけです。

あと別の方から(多分はてなダイアラーのあの方ですよね!?)「鈴木みそ『銭』という漫画の第一巻にアニメ業界の赤字体質・ギャンブル体質の話が載っている」と教えていただいたので早速Amazonに注文してみた。インターネッツは自分から検索かけないでもプッシュ型配信で情報が集まってくる! 怖い! 便利すぎて怖い! 怖すぎて逆においしい! と塚地だいすけ君も言ってたっス。ついでに鈴木みそさんの別の本も。ファミ通以来の邂逅。