はてなダイアリーが選ぶ名盤百選

『VIDEO GAME MUSIC』(復刻版 ASIN:B00005HQB4)

ビデオゲームミュージックもしもYMOが商業的成功をおさめたら自分に新しいレーベルをもたせてもらう、という約束をアルファレコード社と交わしていた細野晴臣さんが、約束どおり設立されたYENレーベルから1984年に発売した日本最古のゲームミュージックアルバム。今では当たり前のようにゲームミュージックのCDが売られているが、当時のゲーマーが受けた衝撃は計り知れない。2001年3月にCDとして復刻。曲目はゼビウスボスコニアンパックマンフォゾンマッピーリブルラブルポールポジションニューラリーXディグダグギャラガ。ゲーム音源をそのまま使用した硬派な作りだが、ラストのギャラガだけ細野さんのアレンジバージョンとなっている。

ゲームセンターにラジカセを持ち込んで生録して、それを子守唄に眠るゲームジャンキーというのが昔は普通にいました。俺にとって電子音は胎内の心音にも等しくて、このアルバムの1曲目で流れるゲームセンターの騒音(それは正に騒音以外の何物でもない)は自分の生まれた場所を思い出させてくれる響きであり、心地よくもあり、少し暗い気持ちにさせられる音でもあります。その辺の薄暗い話は懐古回顧録っていう名前で以前書いたんですが、その時代の10年間くらい、俺の脳の中でいっときも休まず、糞忌々しく鳴り続けていたのがコレです。たくさん触れた音楽の中から一番好きなものを選ぶというのではなく、俺には好きも嫌いもなくこの音楽しかなかったし、だからこれは名盤ではなくて俺の命盤です。魂盤です。呪盤です。「頭の中の蠅」盤です。アリかナシかでこれがナシなのだとしたら、俺という人間がこの世からナシだコノヤロウ。

外道の後でやりにくいとは思いますが、次は『ササクレ屋の残骸(id:sasaq)』のささQさんにお願いします。