「山田孝之さんの眉がどんどん離れていくように見えるマジック」とか「中谷美紀さんがエルメス御本人登場でお互い目を見つめあいながらデュエット」とかそういうのは当然なかったです。俺の予想が甘かったことを素直に認めます。
そしてちょっとマジメな話をしますと、あの物語が映画化されるにあたってどうしても避けられなかったのが、「何人いるかもわからない名無しの2ch住人たち」を把握できうる人数の俳優たちに固定化するということだったと思う。そんで、これこそが物語の感動を矮小化する要因になってた。そりゃあ俺だって木村多江さんとか西田尚美さんが出てくれば「ポワワン」とか言いますけども、電車男の物語の本質はやっぱり「名無し」にあるわけで、採算のために人気俳優(といってもギャラのレベルはちょっと抑え目)をパズルみたいに配置して、普通の恋の物語に変質させてしまったらもはや電車男ではない。
なので、映画化に向いているネットコンテンツは古式さんのネカマ作戦記だと思った。これなら原作に忠実に映画化できる、っていうかするわけねえだろっ……！ こんなもんっ……！
