ナンシーさんと町山さん

模倣犯はいわゆるTVウォッチ物と呼べると思うのだが、この世界の大御所と言えばやはり今は亡きナンシー関さんで、ナンシーさんの凄さは「消しゴム版画がすごい」「TVを見てる時間の絶対量がすごい」「芸能人と絶対馴れ合わないところがすごい」「ほとんどTVに露出しないところがすごい」「世の中の切り取り方がすごい」「体重がすごい」とかいちいち挙げてたらキリがないくらいで、もちろん俺もある種尊敬の目でナンシーさんを見ている(いた)。最近町山広美さん(女性放送作家)という、ナンシーさんと同じスタンスでTVを斬ってる人の本を読んだんだが、ちょっと足りないと思った。俺はこの言葉を思い出したものだ。「どんなにつまらない技術でも、それに卓越しようと思ったら他の全てを犠牲にして一生を捧げるしかない

ナンシーさんは全てを捨てていたが町山さんはまだまだ捨てきれないいろんなものがあるように思った。具体的に言うと、容姿とか肩書きとか過去の栄光とか女とかブランドとかコネとか友愛だ。そういうものが見え隠れしているというか、俺ごとき一般人にそう思わせてしまった時点でナンシーさんに及ばないのだと思った。