リアル黒い家

吉田アミさんの『日日ノ日キ7/16付の動物話を読んでいて思い出したのでちょっと世間話しますよ俺は。かれこれ7〜8年前に、バイトの後輩の家に全自動麻雀卓があるというので麻雀やりにいったんです麻雀。そしたらそいつの家がゴミ屋敷みたいなところで、一家総出で変人ズだったんです。薄々その後輩がなんか気持ち悪いってのは気付いてたんですけどここまでかよオイという気持ちで一杯でした。まずおばあちゃんの部屋が天井までゴミが積まれていておばあちゃんが見えない。おーいおばーちゃーんどこー? で、外に池があるんだけど水が入ってない。おいどうしたんだこれはと聞いてみたら、「オヤジが趣味で錦鯉やってたんだけど飽きたんで全部殺して水抜いたみたいっス」とか言ってる。で、横見たらなんか得体の知れない犬らしき獣がいる。こいつは一体何という獣であるのかと聞いたところ、「ゴールデンレトリバーっス」と抜かす。俺は驚きました。なんか体中皮膚炎が蔓延していて毛がまばらで異常に痩せこけていてどうみてもハイエナなんです。多分生まれてから一度も散歩に行ってないというかこの犬小屋から出してもらったことすらない。

「おまえの家は犬を飼っているのではなく長い時間をかけて殺しているのだな。おまえたちには犬を飼う資格はない」と申し上げたところ、後輩はこう言いました。「うちのオヤジ、なんかすぐ犬買ってくるんスよ。そんで病気になったり怪我したりするとすぐに飽きちゃって捨てちゃうんス。ここ10年で10匹以上買ってまス。前に車に轢かれて足がつぶれちゃって気持ち悪いとかいって蹴ってました。ぬふぬふふふ」

奴の言う「捨てる」は言葉そのままの意味での「捨てる」であります。俺は心底胸が悪くなりました。というか、こんな薄気味悪い人たちが何の咎めも受けることなく、単に変人という扱いで普通に社会に溶け込んでいるという事実に背中が寒くなったものです。以上。