アニメのこと

匿名アニオタさんには何の恨みもないし凡百のアニオタどもに対しても俺は一般人に比べて相当偏見の度合いが薄いというか、自分自身一介のオタクという認識なので端からバカにしてるということは全くないしむしろ愛してるくらいなのだけど、ネタとして小バカにしたり、あえてディスって奮起を促すみたいな戦術を取ってる事はまずお断りせねばなるまい。そうしないと面白くないのです言うなれば。

で、もう最初の最初からかっとばしてディスりますけども、匿名アニオタさん自身が「業界の構造的な要因によりどうしても高くならざるを得ない」と認めているなら、アニオタ全員がアニメ業界に対して「おまえら自身も儲かるように構造を正して適正価格を実現しろ」と要求しなきゃいけないはずなんですよ俺が思うに。具体的には高いモノは買わないという単純な行動や「3800円なら俺は買う」というアピールです。構造的にダメな業界なら潰れて然るべきなのに、それを一般から見れば少数派になるアニオタが、一般から見れば異常とも思える過剰な愛で精一杯下支えしてしまってるから、なかなか構造が変わっていかないのと違いますか。

さらに遡ってアニメが本当に高くならざるを得ないのかをもう一度疑ってみたい。実写の邦画2時間1本を作るのに大体平均して3千万から5千万くらいと言われていて、大々的に宣伝を行うようなもので数億円。TVドラマだと50分1本あたり6千万。TVドラマならキャストによっていくらでもスポンサーがつくのでこれくらいは楽勝なのかもしれないけれども、アニメ業界と並んでダメ業界と言われてる邦画はスポンサーはつかないわ、制作費はかかるわ、DVDは売れないわの三重苦を抱えてるにも関わらず5000円以下のDVDを発売してる(『ドラゴンヘッド』くらいひどいものはさすがに5800円)。製作に何人の人手が必要なのかわからないですけども、アニメと比べてべらぼうに少ないとは想像しがたい。あと実際アニメでも売れてるものは売れていて、『ガンダムSEED』あたりは毎巻初回出荷で(!)8万本は売ってるわけで、下手な邦画よりずっといいセールスになってる(しかもそれが十数巻ある)。にも関わらずガンダムSEEDは「スポンサーつかない・制作費高い・売れない」邦画よりずっと高い6000円で売ってる。これは俺が想像するに、「ガンダムSEEDは3800円で売っても利益が出るんだけど、アニメは大体一律6000円で売ってるからわざわざ下げる必要はないわな」ということだと思うんですよ。セールス的にはガンダムSEEDより劣るけど『攻殻機動隊S.A.C』も然り。

だから匿名アニオタさんを初めとするアニオタたちは、業界の企業努力(例として挙げられたゲームとのコラボとか)を褒め称えて安くなったものは買いまくって、アニメ業界に「こうすれば売れる」ということを叩き込むべきであり、「アニメは高くならざるを得ない」と業界を擁護するような事を言ってる場合じゃあないのです。こういうの全部ひっくるめて「アニオタが我慢してるから」と俺は言いたいのです。攻殻機動隊が安くなったら手を出す非アニオタはたくさんいると思うし、業界自らその可能性を潰して、アニメを(いくらでも金を出すと思われてる)アニオタ限定にしてしまってるのと違いますか。

最後になぜDVDを買うのかという話は、単に俺が所有欲の権化ということももちろんあるんですけど、対価を払いたいからです。その対価は俺が決めることで、レンタルで済ましていい程度のものならそうするし、もっと金を払いたいと思えば買うのです。でもアニオタの愛にあぐらをかいて高い値段設定にしてるものには余分な金は払いたくない。6000-3800=2200という差額は俺の決めた対価を超える、アニメ業界の驕りだと、こういうことですよ。偉そうな口調と超長文ごめんなさい。あとこういう話と関連して、『スターウォーズ』最新作を映画館で観ると1800円、『CHECKERS in TAN TANたぬき』(!)を映画館で観ても同じ1800円というのは納得いかんわな。

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