M-1グランプリを振り返りまくる 3

俺の笑い飯に対する厳しすぎる評価について。これは好みの問題でももちろんあるのだけど、それだと話が終わっちゃうので、何が好みじゃないのかをもうちょっと詳しく書きます今。ボケを交代してたたみかけるスタイル(俺はこれをボケ潰し合いと名付けてる)は俺も大好きでゲラゲラ笑えるのだけど、後半にかけてスピードアップするのを演出するために序盤でわざとつまらない伏線ボケを入れていくのはどうかと思っていて(本当に「わざとつまらないのか」が疑問)、今回で言えば「象の鼻が静岡県の茶畑に」とかがどうも……。1本ネタによっては序盤の静かな伏線ボケが充分に面白い場合もあるので、これはやっぱり普通にすべってるのだと思う。たたみかけがスピードアップする前の面白い伏線ボケには昨年の「拡声器の押すボタンを間違えてる」とかがあった。

あとは完全な好みの問題で「勢いで笑わせられる」ことに抵抗感がある感じ。たとえばたたみかけがスピードアップすると合間合間に比較的つまらない(ひねってない)ボケが挟まっていても、勢いで笑ってしまうというのがあって、そういうのは俺が嫌いな定型ギャグと根っこが一緒だと思っている。今回はたたみかけの部分ではなかったけれども「脱脂綿」を勢いだけで入れにきたところで辟易した。絶妙な返しで笑いにはなってたのですけども。そういうわけで、笑い飯にはひとつひとつのボケをもっと練りこんで隙のないネタを作り上げて、その上で勢いのあるたたみかけを見せてほしい、という気持ちが低評価につながってる(と言っても俺がつけた点数見てもらえればわかるだろうけれど1本目のネタは他の2組とほとんど差はない)。「隙のないネタ」を作っちゃったら笑い飯笑い飯でなくなる危険性もあるのですけども。