視聴率女と言われてすごいことになってる細木数子さんなんですけど、テレビの土踏まずさんの真似して長文でいろいろ書きます。
三原順子さんと細木さんが『ズバリ言うわよ!』で絡んでいて、司会のくりぃむしちゅーが三原さんの過去の武勇伝(金八時代の)をいろいろ披露してたのですけど、たとえばロケ先からの移動を暴走族が先導してくれたとか、そんな感じのアレを。三原さんはそれを「まあ、それは大げさですけどね」的な、「でも実際、昔はやんちゃしてたよねあたし」的な鷹揚な薄笑いで流すというかやんわりと否定していて、ところどころでそれを黙って聞いてる細木さんの顔がアップで映るのですけど、顔がすげえ苦虫を噛み潰したみたいな渋い顔になってる。
俺は、「ああ、これは武勇伝でチヤホヤされて調子ン乗ってる三原さんの態度が我慢ならないのだな。これから保坂さんを追い詰めたようなきつい追い込みをかけるのだな。占いっていうより、単になんとなく好きとかなんとなく嫌いという価値観で相手をメッタ斬りにするのだな」と思っていたわけです。
そしたら細木さんは「あたしなんか昔はもっとすごかった。気に入らない相手はカミソリで切ってやった」とか、自分の武勇伝を語り始めちゃって、なんか小娘の自慢話に張り合うとてつもなくちっちゃい人間であることを堂々と披露しちゃってるのでびっくりした。
TV的に今細木さんに求められてるのは何なのかということに思いを馳せると、こんな感じ。
- 一般人はみんな思っているのだけど、芸能人とかワイドショーのリポーターでは突っ込みづらい本当に相手にとって痛いところをグリグリと突付いて、一般人の代表として毒舌を振るわせる。(『ロンドンハーツ』「格付けしあう女たち」における田村淳さんや杉田かおるさんを加速させたポジション)
- 『ガチンコ』の流れを汲む、見ていてハラハラするようなギリギリの展開を仕掛けさせる。(ファイトクラブ4期生における梅宮成哲さんのポジション)
でも実はそうではなくて、今やこういう段階にあるのだと思った。
- 一代で運良く財を成した人にありがちな、非論理的な人生のセオリーを細木さんに気持ちよくしゃべらせて、それを生温かく見守る。(『マネーの虎』におけるひばムス(加藤和也さん)をはじめとする社長たちのポジション)
- 占いという土台とは一切無関係な説教を細木さんにやらせ、新宿の母的な、日本固有の説教されたがり人と説教したがり人との幸福なやり取りを生温かく見守る。(『ジェネジャン』における武田鉄也さんのポジション)
こう考えると細木さんはここ10年のTVの流れ(エセドキュメンタリー手法)に上手く乗れてる人なのだなあと思う。あと本が売れてるからTVから干されても痛くも痒くもないところが無尽蔵のパワーを生んでる。あと俺は『ズバリ言うわよ!』を見るのにかなりの体力と精神力を必要とするというか、もう見てらんない。「やめてー。寒いからやめてー」とかなる。仮装大賞で無理にテンションあげてる萩本欽一さんを見るより辛い。