「ルールに神は宿る、と言ったのはかの無名な俺ですけど。はてなワンワンワールドの(暫定)ルールに宿った神を見ていこうじゃないのじゃあ。ここで重要なのはルールを作ったid:wanparkさんが神なのではなく(文脈によっては確かに神ですけども)、id:wanparkさんが作ったルールに、意図しなかった別の何かが宿る(こともある)ということであります。時にそれは強力な邪神であったり、人を癒す女神であったりしますわね。
- はてなワンワンワールド恐怖体験
- ログインして渋谷に一日中いて100人くらい「ともだち」にしたのに「わんわん」しか見えない……
- アメリカ西海岸まで遠出して、2人きりでバーチャル海外旅行&ドキドキエロチャットをしていたら突然ワープ航法を使って「ともだち」が乱入してきた。あわてて「わんわん」とか言ってごまかす……
- 「ともだち」にしない限りはこちらの発言は見えないというルールに安心して、知り合いとドス黒い会話をしていたら突然id:wanparkさんによる仕様変更が行われ、全員の会話がすべて見られるようになり、会話内容が画面キャプチャされ2ちゃんねるに晒し上げ……
- 人間の習性でリアル自宅付近に帰ってそのまま寝オチしてしまい、ワープを使ってやってきた「ともだち」を踏み台に、さらに全く面識のない「ともだちのともだち」までワープでやってきて、自宅バレ、職場バレ、恋人の自宅バレ……
- 遠く離れた場所にいる「ともだちられ」の発言が風に乗って聴こえてくるのだが、風乗りを知らないその「ともだちられ」がいつも自分の悪口を言っている……
- はてなワンワンワールドルールの解釈
- 「ともだち」にするということは対象に対してワープ権を与え、ストーキングに似た行為をも容認するということ。
- 仕様変更により「ともだち」の削除ができるようになったということは、うっかりワープ権を与えてしまったストーカーに対する自衛手段ができたということ。
と、かなりネガティブな方向から見たわけなんですけども、これを以て非モテ界隈(?)から(いつものことですが)(恐らくごく少数でしょうが)「なんて陰湿で閉鎖的なシステムだ」とか「疎外感を味わう人が出てくるのでやめたほうがいい」的な言説が湧き上がることは必定だと思った。そしてそれは何を意味しているかというと、「陰湿で閉鎖的なこの現実世界には、疎外感を味わう人がいる」という恐ろしく当たり前のことがまたしても再確認されるということなのだと思った。
毎朝の通勤電車にとてもカワイイ子がいて、友達になりたいなあと思う。話しかけるのは自由(「ともだち」にするアイコンを押すのは自由)で、そこから現実に友達になる(「ともだちられ」をされる)場合もあるけども、引かれる場合もある。現実の友達(「ともだち」「ともだちられ」)になって、携帯電話の番号を教えてもらうこと(ワープ権の付与)ができるかもしれない。そうすると、彼女がどこにいても連絡(ワープ)ができるようになる。
あるいは顔だけは知っている仲良しグループが飲み屋でくっちゃべっているところに遭遇し、「楽しそうだなあ。仲間に入りたいなあ」と思うかもしれない。話しかけるのは自由。でも仲間と認められるかどうかはわからない。温和で、楽しくて、礼儀正しくて、常識的な振る舞いをする人であればすぐさま仲間として認められる公算が高い。攻撃的で、陰湿で、無礼で、非常識な振る舞いをする人だと拒否される公算が高い。顔だけは知っている関係なので、そういう評判がすでにそのグループに届いている可能性が高い。これが現実。
そういう関係性が見えるからイヤなのだという場合、これを完全にクローズにして、仲よさそうに楽しくくっちゃべっている姿を不可視にするシステムにすればいいのだけど、それは疎外感の本質的解決とは程遠い。尚且つ疎外感を味わっている人が、仲良しグループに接触・参加するチャンスすら完全に失われる。話しかける自由すら失うということです。「それでいいのだ。楽しげな様子さえ見えなければ、孤立している現実には耐えられる」と言われると打つ手ナシですが。
あるいは「ここは現実とは違う場所なのだから、誰もが平等に楽しく遊べるルールを設定すべきだ」という主張が出てくるかもしれない。その場合、その人にとっては楽しく遊べるルールになるかもしれないけれども、別のある人にとっては非常に面白くなく、場合によっては危険を感じることすらあるかもしれない。攻撃的で、陰湿で、無礼で、非常識な振る舞いをする人を拒否する手段がない場所は、危険で面白くない場所となるからです。
こんな感じのことを思いました。つまりワンワンワールドは現実のコミュニケーションルールに割と近い感じの(でも現実より話しかけることの敷居が低い)、優れた遊び場になってるんじゃないかなと。ここにプライベートモードとか2ショットチャットみたいなものを持ち込むと逆につまらなくなるような気がする。と思った。