シリーズ「俺とカメラ」第三回(最終回)

はい、もう今日はなるべくちゃっちゃっと手短かにいくよー。ボディ買いました。明るい単焦点レンズ買いました。あとはもう撮るだけですけど、おまえらが取り扱い説明書を熟読せずにいきなり撮り始めることは確定的に明らかなので、撮る前にひとつだけ言わしてください。これだけ聞いて下さい。

モードダイアル

モードダイアルを「A」とか「Av」ってやつにしなさい。

モードダイアルっつのーはカメラの左上についてる、コリコリ回すやつです。右の写真はキヤノンの場合ですけども、他のメーカーでも大体似たような感じです。メーカーによって、いろんなシーンに合わせたモードが用意されてて、たとえば風景モードとか人物モードとかがアイコン表示されてるわけなんですけども、もうな、このアイコンのやつは全部忘れよう。ないものと思うことにしよっ。大体、アイコンでシーンモードの意味を表わすとか、俺を何時代の人間だと思ってんだよっていう話じゃないですか。せっかくコンデジからデジイチにステップアップしたんですから、アイコンのやつはもう使わないことにしてください。

で、キヤノンで言うところの「Av」、ニコンだったら「A」っていうモードは一体どう使うモードなのか。これはですね、前二回でさんざん言ってた「F値」を自分でコントロールするモードです。おまえらは素直なイイ子なので多分F値の小さいF1.8(あるいはF1.4)のレンズを手に入れたと思うのですけども、これはMAXの明るさがF1.8(F1.4)という意味であり、暗くすることももちろんできるんです。

AとかAvモードにして、どこか適当なジョグダイアルを左にぐりぐり回しながらファインダーを覗くと、最少で1.8(1.4)になる数字が見えるはずです。それがF値を表わしてます。逆に右にぐりぐり回すと、その数字がどんどん大きくなっていくんですね。これがいわゆる「絞る」ってことです。うわ、出たよ専門用語。AとかAvモードとは、すなわち「絞り優先AEモード」という言葉で言い換えられるのです。そんなの覚えなくていいけど今のところは。

このモードを使って「F値を大きくする」=「絞る」とどうなるか。光の通り道を細く絞っていくので、当然暗くなります。デジイチ本体クンはちょうどいい明るさを維持するために、そのぶんシャッタースピードを遅くしていきます。「通る光がすくなければ通す時間を長くすればいいじゃない」です。なので絞ろうが開放しようが、大体同じ明るさで撮れるようになってんです(ただし、シャッタースピードが遅くなっていくと手ブレや被写体ブレが防げなくなっていきますけどね)。これが絞り優先モード。もう一個の方のシャッター優先モードのことはとりあえず忘れよっ☆

同じ明るさで撮れるようになってるのに、開放したり絞ったりすることに何の意味があるのかは次の写真を見てください。ピント位置等、諸条件を全く同じにして、絞りだけをF2.8→F5.6→F11→F22と絞っています。

F2.8
F5.6
F11
F22

いくらおまえらの目が節穴でもさすがにこれはわかる。そう、背景のボケ方が違う。絞ることによってピントの合う範囲が前後(特に後ろ)にどんどん広がっていく。専門用語で言うと「絞ると被写界深度が深くなる」ってことになるんですけど、専門用語を使うとカメラ全く知らない人に嫌われるのでマジ注意。心の中だけにしまっておいてください。あと、もちろんおまえらが買うレンズはF1.4とかF1.8なので、一番上の写真よりもっともっとボケます。

これにて、初めてのデジイチはボッケボケで感動しようの巻は終わりなんですけど、使っていくうちに段々気付いてきます。「ただボケてりゃいいってもんじゃねえや」と。そしたら少しF値大きくして(絞って)ください。開放で撮るより少し絞った方が画質もよくなるんです実は。「じゃったらF3.5とかのあんまりボケないズームレンズ買ったってよかったんじゃねえの?」と思うかもしんないけどそれは違う。明るさは正義! なのです。

他にもたくさん覚えることは山積みなので、ボケ写真に飽きたら取説を熟読したり、他のもっと詳しい解説サイトなんかを読んでください。ご静聴ありがとうございました。