【連載】 飛行機に一度も乗らずに年間12万マイル稼ぐ 最終回「マイルの使い方」

今回はノウハウに関しては有益な情報は何もありません。最後のおまけみたいなもんです。

マイルの使い方を考えることは、マイルの貯め方を知ることより大事。

マイルの使い方というか、使うにあたっての心構えというか、そういうことを以前「航空マイレージとは一体なんなのか」で書きました。よかったらこれも読んでみてください。6年前のちょうど今頃のエントリですね。陸マイラーを始めてすぐの頃ですけど、初心者のくせに割といいこと言ってやがります。マイル価値を最大化しようって話です。

それともうひとつ、「ANA国際線特典航空券の上手な取り方」というエントリもあります。情報が古いので、今とは状況が異なっており、もっと上手いやり方も編み出されてるんですが、多少は参考になると思います。マイルの使い方の直接的なノウハウです。

でもまあ、こんな話はつまんねえ。

ここまで延々と重箱の隅ばっかりつつくみみっちい話を書いてきて身も蓋もないけど、陸マイラー7年もやってると、もう最大効率化ゲームはやれるとこまでやりきったし、還元率ゼロコンマゼロいくつだとか、搭乗の何日前に発券勝負するかとか、損得や数字の話では自分自身盛り上がれない。

連載第1回で、知人から「3年後にニューヨークまでファーストクラスで行ってみたい」と言われたとお話ししました。

あの時、「マイル貯めてみようかなって思ってるんだけど、何かいい方法知ってる?」みたいな漠然とした話だったら「よーし、じゃあ俺のノウハウの全てをまとめてやろう」とは思いませんでしたし、こんなに長いまとめを書き上げることもできなかったです。

夢がありますよね。ファーストクラスでニューヨーク。これ以上ないってくらい夢がある。だって正規にファーストクラスの航空券買うなんて、宝くじでも当たらない限り無理ですもの。というか、宝くじ当たったって、心理的に無理ですもの。たとえ大金持ってても、航空券に100万円以上もつっこむくらいなら他のことに使っちゃいますよね。でも一回でいいから乗ってみたいっていう気持ちはあるはず。どんだけ快適なんだろう、どんだけスペシャルな気持ちになれるんだろうってわくわくする。

その気持ちを大切にしましょうよ。6年前に書いたエントリみたいな、ただ単にせっかく貯めたマイル価値を最大化するためにファーストクラス特典航空券を取るっていう損得の話じゃなくね。

マイルはですね、そういう風に使い道を想像して、わくわくすることが一番大事なんだと思います。

きょうび、ただ飛行機乗って海外行くことだけが目的なら、LCCのセール狙って激安で行った方がいいに決まってます。マイル獲得に費やす時間と労力のことを考えたら尚更です。

どうか皆さん、大きな夢をもってこれからの陸マイラー道、歩んでください。卒業おめでとう。こうちょうせんせいからは以上れす。ではまた。ゴゴゴゴゴゴゴゴ……(長き眠りにつく音

追記:マイラーブログ始めました。

kowagari.hateblo.jp
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【連載】 飛行機に一度も乗らずに年間12万マイル稼ぐ 第7回「PeX、Gポイント、ポイ探」

ポイントの中継基地として、PeXGポイントにそれぞれ登録します。

ポイント管理のためにポイ探に登録します。

本連載の移行ルートにおいて何度か名前が出てきたPeXとGポイントに登録しておきましょう。

PeXはマイラー必須の中継専門ポイントサイトです。このサイトではポイントを貯めるのではなく、いろんなポイントを、別のいろんなポイントに移行するためだけに使います。ハピタスポイントをマイルに移行する場合、ハピタス→PeX→メトロポイント→ANAと移行します。

ポイントの単位が1桁多くなっていますが、実質的な価値は同じです。移行先によっては、手数料として若干のポイント減算が行われるので、なるべくまとめて移行する方がいいです。

Gポイントは主にANA VISAゴールドで貯まったボーナスポイントを中継するために使います。ワールドプレゼント(ボーナスポイント)→Gポイント→メトロポイント→ANAと移行します。このサイトにはハピタスと同じように多くのポイント獲得案件がありますから、ハピタスと比べてみて、こちらの方が条件がいいという案件があったら積極的に狙っていくといいでしょう。

■ ポイ探がないと始まらない

ここまで辛抱強く連載を読み進めてこられた人はこう思ったのではないでしょうか?

「移行ルートとか複雑すぎてわかんねええええええ! 還元率とかどうやって計算してんだよ。覚えきれねえよ!!」と。

安心してください。自分も多くの陸マイラーもそこまで記憶できていません。こういった煩雑なルートの解明、各ルートによって一体いくらのポイントがいくらのマイルになるのかといったことは、全てポイ探というサイトにアウトソーシングしています。

ポイントサーチという機能によって、◯◯というポイントはどういうルートでANAマイルに移行できるのか、できないのか、また、どのルートが最も移行率が高いのか、移行にかかる日数はどれだけなのかを瞬時に表示してくれます。

「この連載読む前から利用してるポイントサイトがあるんだけど、これもANAマイルに移行できるかなあ」と思ったら、ポイ探でポイントサーチしてみてください。

さらに、ポイ探では自分が集めている様々なポイントを登録することによって、「これらを全てANAマイルに移行したら一体いくらになるのか」といったことも計算してくれますし、それらのポイント数を自動ログインしてかき集めて*1一覧することができます*2。これほど便利なポイント管理サイトはありません。

また、コラムのコーナーでは当ブログより数段レベルの高い現役陸マイラーによる最新情報が読めるので、見落としがちな各種キャンペーン、マイル制度の改悪情報などもチェックできます。キャンペーンによっては一撃で数千、数万のマイル獲得ができる場合もあるのでこまめにチェックしておきましょう。

■ マイル試算

年間12万マイルを稼ぐための基本的な情報は、ここまでの連載でほぼ全て揃いました。もっと細かい情報はポイ探のコラムに載っている他サイトのブログなどを読み込むことによって補えます。

それではここまでで一体何マイルを貯めることができるか試算してみたいと思います。

  1. ソラチカの発行で得られるマイル
    • 8350マイル
  2. 年間決済額で得られるマイル
    • 21000マイル(年間150万円の決済でマイ・ペイすリボの2倍ポイントも取りこぼさないとして)
  3. ANA VISAゴールドの発行で得られるマイル
    • 22000マイル
  4. ハピタスの案件をこなして得られるマイル
    • 30000マイル(セゾンゴールド、ローンカード等の発行、その他楽天での買い物等で計算)

ここまでで81350マイルになりました。こうして見ると、いかにハピタス登録の重要性が高いかかわかると思います。ポイントサイトなくしてはマイルなど貯まらないのです。

さて、あと残り38650マイルを貯めないと12万に達しません*3。クレジットカードの決済で貯めようと思ったら、マイ・ペイすリボの2倍ポイントを駆使してもさらにあと270万円ほど使わなければいけない計算です。会社の経費で落とせる自営業者の人ならそれも可能でしょうが、その他の人には非現実的です。

残りはポイントサイトで稼ぐしかありません。お金をかけなくても1万マイル程度を稼げる案件は探せばいくつもみつかります。年会費無料クレジットカードの発行、光回線の契約、FX口座の開設*4等、初年度の1回限りしかこなせない案件を積極的に狙ってください。

「いや、もうカードはこれ以上発行したくないし、FXや証券口座は損するかもしれないからイヤだ。光回線は既に引いてるからわざわざ解約して他の光回線に乗り換えるのも馬鹿馬鹿しい」という人も多いでしょう。また、陸マイラー2年目からは初年度で使った1回限りのハピタス案件が封じられるので、コンスタントに毎年12万マイル獲得し続けるのは非常に困難になります。ANA VISAゴールドの発行を避けた人も、条件が相当厳しくなりますね。

そのために、もう一つの、安全で持続可能で高還元なマイル獲得法を次回解説したいと思います。

ただ、この方法は陸マイラーの中ではどうやら「ネット上で触れてはならない」とされているような気がしています。情報収集に余念のない陸マイラーなら絶対気付くはずなのに、どこのマイラーサイトでも記事にされているのを見たことがないんです。ということは、知っているのに秘密にしているとしか考えられません。恐らく、たくさんの人に広まると移行ルートを潰される改悪が行われると危惧しているのだと思います*5

というわけで、次回はnoteの有料コンテンツとさせていただきます。一定のハードルを設けて無制限な拡散を防ぎたいということです。ここまでの情報で既に12万マイル獲得は充分に可能なはずですから、無理に読む必要は全くありません。

追記:マイラーブログ始めました。

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*1:PeXをはじめとするいくつかのポイントは自動ログインができないので、手動で入力する必要があります。

*2:その機能を利用して、自分ははてなグラフを作っています。グラフに表示されている仮想マイルというのは、ポイ探で調べた「全てのポイントをANAマイルにしたらいくらになるか」という数値をはてなグラフに手入力しています。

*3:タイトルに偽りありとなってしまいますが、ハワイまでビジネスクラスで往復するなら6万5千マイルで済みますよ? 笑

*4:例えばDMMであれば、口座開設後5万円を入金し、5lotの取引を決済すれば条件を満たして15000ポイントを貰えます。ポジションを持ってから即座に決済すれば失敗しても最小限の損で済みます。もちろん儲かることも確率50%でありえます。ちなみに自分の場合、初年度でFX口座を11個開設しました 笑。初回入金額の預金10万円程度があれば充分可能です。慎重にやったので損することもありませんでした。

*5:過去、そういったルート潰しの改悪は数え切れないほどありました。たとえば楽天やTポイントが導入した期間限定ポイントです。あれは他のポイントに移行できません。制度改悪までは無制限に移行できていたので、楽天マラソンで手に入れた10倍ポイントは全部マイルにすることができたんです。

【連載】 飛行機に一度も乗らずに年間12万マイル稼ぐ 第6回「マイ・ペイすリボ」

マイ・ペイすリボのお支払いコース変更」から、毎月のリボ払いの金額を設定しておきます。

毎月、請求金額が確定したら「マイ・ペイすリボのお支払金額変更」から臨時の増額申請をして、リボ残金が610円〜1600円程度になるようにして、少額の金利を発生させます。

これにより、ワールドプレゼントポイントを2倍にします。

マイ・ペイすリボは、全ての買い物がリボ払いとなります。たとえ店頭で「1回払いで」と言ってもです。

「え! リボ払いってカード破産への道じゃないの!? 絶対ヤだよリボ払いなんて」と思われるかもしれませんが大丈夫です。今回の主眼は、リボ払いによる金利の発生を毎月最小限(数円から12円程度)に抑えて、リボ払いに付随するボーナスポイントだけを美味しくいただくことにあります。

カード発行会社は、金利収入増加のためになんとかして利用者にリボ払いをさせたいと思っています。そのためにマイ・ペイすリボの利用者に対してボーナスポイントというエサを置いています。多額の金利を支払うのは一般のリボ利用者に任せ、我々陸マイラーはエサだけをいただきます。

■ ワールドプレゼントポイント2倍の条件

通常、リボ払いというのは、毎月1万円など定額支払いをしつつ、残金に対して金利を支払っていきます。毎月の支払い金額設定を、カードの利用限度額と同額にするなど高額にしておけば、たとえマイ・ペイすリボに登録してあっても、実質的に全ての買い物は一回払いと同じになり、金利は1円も発生しません。

マイ・ペイすリボの制度開始当時は、ただ登録しておくだけでポイントが2倍になっていて非常に美味しかったのですが、これではカード会社は全く儲かりませんから、現在では金利が発生したときのみ、ポイント2倍になっています。全額支払ってしまうとポイント2倍にはならないんです。

わずかな金利だけ発生させるには以下のようにします。

  1. マイ・ペイすリボのお支払いコース変更で、毎月の支払い金額を設定する。
    • 全額支払ってしまうことがないような金額にしてください。毎月最低でも10万円くらいは決済しそうだという人なら、5万とか8万くらいに設定しておくといいとおもいます。本当は5千円くらいでもいいんですが、万が一次項の臨時増額を失念して残高をそのまま残してしまうと多額の金利が発生してしまうので、それを勘案しての金額にしてください。
  2. 請求金額確定のメールで送られてきたら、マイ・ペイすリボの支払い金額変更から臨時に増額します。
    • 毎月25日頃に請求金額が確定し、前項で設定した金額が請求されます。そのままでは残金が多すぎて金利がたくさん発生してしまうので、支払いを臨時増額して、残金が610円〜1600円程度になるようにします。増額は千円単位で行えます。詳細は省きますが、最初の1回は必ず、最低でも610円以上残してください。ケチって「110円残せば1円の金利発生するでしょ?」と思うと痛い目を見ます。2回目の支払い以降は110円以上残せば条件は満たせますが、支払いの臨時増額は千円単位でしかできないので、110円ぴったりにはできません。どうせ大した金利ではない(残金1000円以下なら金利は12円以下)ので、厳密に考える必要はありません。ざっくり1000円以下ならよしとしましょう。
  3. 万が一請求金額がリボの設定を下回ってしまった場合、金利を発生させるために支払いを減額します
    • 減額の場合は支払いコースの設定自体をいじることになり、万単位でしか金額を変更できないので、なるべくこういう事態にならないように注意してください。

■通常ポイントとボーナスポイント

三井住友カードのワールドプレゼントポイントには「通常ポイント」と「ボーナスポイント」の2つのカテゴリがあります。通常ポイントの方は1ポイント→10マイルで移行できますが、ボーナスポイントの方は1ポイント→3マイルでしか移行できません。

御察しの通り、マイ・ペイすリボで得られるポイントはこのボーナスポイントです。つまり、マイ・ペイすリボによってワールドプレゼントポイントは見かけ上2倍になるんですが、マイルに移行するとガクッと減ってしまうんです。*1

ただし、ここにも抜け道があります。ソラチカを使えば移行率を上げられるんです。

ワールドプレゼント(ボーナスポイント)→ANAマイル

直接移行できるこのルートだと、移行率0.3です。ワールドプレゼントのボーナスポイント1万は3000マイルにしかなりません。

ワールドプレゼント(ボーナスポイント)→Gポイント→メトロポイント→ANAマイル

間にGポイントとメトロポイントを挟むこのルートなら、時間はかかりますが移行率は0.445になります。ボーナスポイント1万が4450マイルになるんです。*2

三井住友カードのポイントを倍増させるマイ・ペイすリボは陸マイラー必須の知識です。きちんと正しく理解して、ポイントを取り逃さないようにしてください。

■ 年間決済額による翌年からのボーナスポイント

年間決済額が50万、100万、300万を超えると、それぞれステージがV1、V2、V3と上がり、翌年からボーナスポイントが余計に貰えるようになります。初年度には関係ありませんし、貰えるポイント数もマイ・ペイすリボで貰えるボーナスポイントに比べれば微々たるものですが、塵も積もればです。ちなみに年間決済300万達成後、翌年も300万決済すると、貰えるボーナスポイントは計1800。ソラチカ経由でマイル移行して8000マイルになります。100万のステージの場合はその半分です。

初年度は年間決済額によるボーナスはありませんから、マイ・ペイすリボによるボーナスポイントを加味したANA VISA ゴールドの実質マイル還元率は1.445%となります。

マイ・ペイすリボによるボーナスポイント2倍を取りこぼさず、100万 or 300万決済によるステージV2 or V3を毎年達成し、ボーナスポイントをソラチカ経由でマイル移行する場合、ANA VISAゴールドのマイル還元率の理論値はそれぞれ1.58%、1.71%になります。

これに対してソラチカだけで勝負する場合、たとえ年間何百万円決済しようとも、還元率は1.09%で頭打ちです。ANA VISAゴールドカードを発行するメリットがお分かりいただけたでしょうか。*3

追記:マイラーブログ始めました。

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*1:マイ・ペイすリボ開始当時はボーナスポイント通常ポイントというカテゴリ分けは導入されていなかったので、マイルまで2倍になり、陸マイラーはかなり美味しい思いをさせてもらいました。さすがにこれは三井住友がANAから怒られたので、ボーナスポイントに関しては移行率を下げるという改悪が行われたんです。

*2:ボーナスポイント制導入で移行率が改悪されたように、ソラチカの移行率改悪も将来的には充分考えられます。陸マイラーは全員これに怯えている状態です。

*3:ANA VISAゴールドを発行せず、ソラチカと併用する還元率のいい決済カードを作るとなると、候補に挙がるのは、実質的に年会費無料となるJACCS Extreme Cardとなります。詳細は省きますが、Gポイント→メトロポイント→ANAのルートが利用でき、マイル還元率1.35%となるため、決済カードとしてソラチカと組み合わせると、ソラチカのみで貯めるより効率よく貯められます。マイル移行費用もかかりません。ただ、ANA VISAゴールドと違って新規入会キャンペーンによる大量マイル(今回は2万マイル)が貰えませんし、所詮は還元率でも勝てないので、あくまでも第2候補だと思ってください。初年度にANA VISAゴールドの決済額が100万円を下回ってしまった場合は、年会費を考慮して次年度からJACCS Extreme Cardに切り替えるという選択肢はアリだと思います。

【連載】 飛行機に一度も乗らずに年間12万マイル稼ぐ 第5回「ANA VISAカード」

ハピタス経由でANA VISAゴールドカードを発行します。

申込時に、マイ・ペイすリボは必ず登録。マイル移行コースは自動方式ではなく応募方式で申し込んでください。

このカードは日々の決済でフル回転させます。現金決済を極力無くし、カードで支払えるものは全てこのカードで支払うようにします。

カードが届いたら、V-Passの登録、各種キャンペーンの登録を忘れずに。

ソラチカがあるのに、なぜわざわざ年会費の高いANA VISAゴールドまで発行するのか? その理由は大きく2つに分けられます。

  1. ゴールドを保有する理由
  2. VISA(三井住友カード)を保有する理由

(本連載では、JCBが発行するソラチカの保有は大前提となっています。ソラチカを保有している場合、同じJCBブランドのゴールドカードと2枚持ちすることは制度上不可能となっているため、ゴールドの選択肢は事実上ANA VISAゴールドの一択になります。 2015年4月より、ソラチカと他のANA JCBカードの重複保有が可能となりました。ANA JCBゴールドカードも選択肢に入りますが、VISAの方が圧倒的にお得です。)

ではまず、ゴールドを保有する理由から。

  1. 利用限度額が大きい
    • ソラチカは人によっては発行時の利用限度額が10万円という低額で始まることも多々あります。カードは締め日と支払日がズレているため、利用限度額が10万円なら、毎月平均5万円しか使えません。これでは年間100万や300万の決済は困難です*1 ゴールドカードなら、発行時から利用限度額が100万円なので、毎月平均50万円決済できます。
  2. マイル移行手数料がかからない。
    • 前回書いたとおり、ソラチカで決済した場合、貯まるポイントはJCBのOkiDokiポイント。これをマイル移行するには都度5400円の支払いが必要です。ゴールドカードは移行手数料なしで、好きなときに何回でもマイル移行することができるのです。ANA VISAゴールドカードの場合、三井住友カードのワールドプレゼントポイントというものが貯まります。これを好きなときに好きなだけマイル移行できます。
  3. 毎年もらえる継続ボーナスが2000マイル。
    • 年一回、年会費の発生と同時に継続ボーナスが2000マイルが貰えます。ソラチカ等の一般カードだと1000マイルですから、2倍もらえます。
  4. 充実した旅行保険が自動付帯。
    • これは直接マイル獲得には関係ありません。旅行保険に関してだけはANA JCBゴールドの方が充実度が高いです。この連載ではソラチカの保有優先順位が1位なので、同時持ちができないANA JCBゴールドは選択肢に入りません。もちろんソラチカと比べればANA VISAゴールドの旅行保険は雲泥の差です。クレジットカードの旅行付帯保険に関しては以前書いたエントリ「海外旅行傷害保険について −大人なのでクレジットカードの付帯保険を勉強してみました−」を参照してみてください。

この他にも、万一紛失した場合の再発行手数料がタダであるとか、空港のカードラウンジ(しょぼいです 笑)が使えるとか、デスクがつながりやすく頼りになるとか、細々した理由があります。

次に、JCBでもアメリカン・エキスプレス*2でもダイナース*3でもなく、VISA(三井住友カード)を決済のメインに据える理由です。

  1. マイ・ペイすリボを利用するとポイントが2倍になる。
    • これは非常に重要です。次回詳しく解説します。
  2. 年間決済額に応じて翌年から貰えるボーナスポイントがJCBと比べて2倍。
    • 前回、年間決済額100万円にこだわったのはこれが理由です。JCBでも年間決済額(50万、100万、300万で分かれる)に応じて翌年からボーナスポイントがつくというものがありますが、VISAの方が2倍程度多いのです。JCBカードだと100万円・300万円決済したとしても、翌年の実質還元率は1.09%程度にしかなりませんが、VISAゴールドで100万円・300万決済し、前項のマイ・ペイすリボも併用すれば、翌年の実質マイル還元率はそれぞれ、1.58%、1.71%に跳ね上がります。アメリカン・エキスプレスゴールド(年会費32550円)、ダイナース(年会費21000円)に至っては決済額がいくらになろうとも還元率は1%で固定です。*4
  3. 年会費を安く抑えることができる。
    • 同じゴールドカードでもVISAと他とで最も違う点がここです。VISAのゴールドカードは、次回で詳しく解説するマイ・ペイすリボへの登録と、WEB明細サービスへの登録とで、通常14000円+消費税の年会費が、9500円+消費税になります。他のANAゴールドカードには年会費の減額制度はありません。
  4. 付属するiDも含めて、キャンペーンがいつも充実している。
    • これも他の比ではありません。毎月、明細チェックのついでにキャンペーン内容に目を通しておくことをオススメします。

結論として、ANA JCBゴールドカードは年会費が高いだけでメリットはほぼ皆無、しかもソラチカとの同時保有が無理。ソラチカを既に持っていればANA VISA Suica等の一般カードを決済カードとして使う意味もありません。しかし、ANA VISAゴールドカードはメリットの塊なんです。

ゴールドカードの審査基準は、原則として「満30歳以上」「本人に安定継続収入がある」ということになっていますが、カードの審査は各社とも完全に謎のベールに包まれています。どんなに年収が高くても落ちるときは落ちるし、えっ?と驚くような低属性の人でも通るときは通ります。条件を満たしていなくてもダメ元でチャレンジしてみてください。

■申込時の注意

ワールドプレゼント(三井住友カードのポイント)のマイル移行方式は「自動方式」と「応募方式」の2種類があります。カード申込時にいずれか選ぶのですが、これは応募方式にしてください。自動方式は毎月何もせずにワールドプレゼントがマイルに移行されるので、一見すると手間がかからず便利なように思えますが、「ANAマイルの有効期限は3年」というルールがあるため、非常に不利なのです。

たとえば3年間自動方式で貯めたマイルが、万が一目標とする特典航空券の必要マイルに足りなかった場合、3年後から毎月ぼろぼろとなし崩しに失効していってしまうのです。こうなってはいくら頑張ってもザル状態です。また、逆に、目標マイルを遙かに上回るマイルを自動方式で獲得してしまった場合(本連載を全部実践したらこちらになる可能性の方が高い)、使い切れなかったマイルがやはり毎月失効していってしまいます。これを防ぐには、必要な時に必要な数だけ、ワールドプレゼントをまとめて移行する応募方式にするのが有効です。

また、ANAマイルの有効期限3年とワールドプレゼントの有効期限3年はそれぞれ独立しているため、3年間貯めたワールドプレゼントを失効前にまとめてマイル移行すれば、そこからさらに3年間、マイルとしての有効期限が延びる形になります。これは是非覚えておいてください。

もう一つ、マイ・ペイすリボの登録申請をカード申込時に必ずおこなってください。これは今現在やっている入会キャンペーンの必要条件を満たすためです。うっかり「マイ・ペイすリボを登録しない」にチェックマークを入れて申し込むと、1万マイルをドブに捨てることになりかねません。

■カード到着後にやること

Vpassに登録してください。Vpassからは、マイ・ペイすリボの金額設定などができます。莫大なマイルを生む新規入会キャンペーン登録などもVpassから行います。

現在行われている新規入会キャンペーン*5「入会後3ヶ月でiDの利用3万円以上で1万マイル」「マイ・ペイすリボに登録&入会後3ヶ月で10万円以上決済で1万マイル」を両方クリアすれば計2万マイルが貰えます。忘れずにキャンペーンにエントリーして条件を満たしてください。

次回は陸マイラーなら誰もが知っているマイ・ペイすリボによるボーナスポイントの錬金術について解説します。

追記:マイラーブログ始めました。

kowagari.hateblo.jp
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*1:繰り上げ返済」をフル回転させれば利用限度額は事実上無制限となりますが、常に限度額とにらめっこをし続けなければならず、手間がかかります。利用限度額の上限が厳しいJCB(ソラチカもこれにあたる)しか持っていない陸マイラーはこの繰り上げ返済をやっている人が多いです。

*2:アメリカン・エキスプレスは大盤振る舞いの入会キャンペーンで有名です。ゴールドが初年度年会費無料ということも多々あるので、いい条件の新規入会キャンペーンが行われていたら、ANAアメリカン・エキスプレスゴールドカードを発行してみることもオススメします。「新規入会後3ヶ月で50万円決済なら45000マイル」みたいなキャンペーンがよくあります。その期間だけアメックスを集中して使えば、大量マイルを稼げます。そして翌年に年会費が発生する前に解約してしまえばいいのです。解約希望の電話をデスクに入れると、必ず「解約阻止部隊」に電話が回され、「翌年の年会費免除」「3ヶ月間ポイント2倍」などの好条件を提示されます。トラベル&エンターテインメント分野では非常にサービス内容のいいカードですから、よく吟味して解約か継続か決めてください。

*3:実質的にANAダイナースカードはゴールドのカテゴリに入ります。年会費21000円

*4:ANAダイナースプレミアム(プラチナカード相当)だけは破格の還元率2%を誇りますが、年会費が12万6千円かかるので現実的ではないでしょう。そもそも審査に通りません。

*5:新規入会キャンペーンは常時何らかが行われており、今回のものは「貰えるマイルはかなり少ないが条件は比較的緩い」という感じです。大盤振る舞いの時は3〜4万マイルほど手に入るときがあります。当然ハードルは高くなるんですが。