申込時に、マイ・ペイすリボは必ず登録。マイル移行コースは自動方式ではなく応募方式で申し込んでください。
このカードは日々の決済でフル回転させます。現金決済を極力無くし、カードで支払えるものは全てこのカードで支払うようにします。
カードが届いたら、V-Passの登録、各種キャンペーンの登録を忘れずに。
ソラチカがあるのに、なぜわざわざ年会費の高いANA VISAゴールドまで発行するのか? その理由は大きく2つに分けられます。
- ゴールドを保有する理由
- VISA(三井住友カード)を保有する理由
(本連載では、JCBが発行するソラチカの保有は大前提となっています。ソラチカを保有している場合、同じJCBブランドのゴールドカードと2枚持ちすることは制度上不可能となっているため、ゴールドの選択肢は事実上ANA VISAゴールドの一択になります。 2015年4月より、ソラチカと他のANA JCBカードの重複保有が可能となりました。ANA JCBゴールドカードも選択肢に入りますが、VISAの方が圧倒的にお得です。)
ではまず、ゴールドを保有する理由から。
- 利用限度額が大きい
- ソラチカは人によっては発行時の利用限度額が10万円という低額で始まることも多々あります。カードは締め日と支払日がズレているため、利用限度額が10万円なら、毎月平均5万円しか使えません。これでは年間100万や300万の決済は困難です*1 ゴールドカードなら、発行時から利用限度額が100万円なので、毎月平均50万円決済できます。
- マイル移行手数料がかからない。
- 前回書いたとおり、ソラチカで決済した場合、貯まるポイントはJCBのOkiDokiポイント。これをマイル移行するには都度5400円の支払いが必要です。ゴールドカードは移行手数料なしで、好きなときに何回でもマイル移行することができるのです。ANA VISAゴールドカードの場合、三井住友カードのワールドプレゼントポイントというものが貯まります。これを好きなときに好きなだけマイル移行できます。
- 毎年もらえる継続ボーナスが2000マイル。
- 年一回、年会費の発生と同時に継続ボーナスが2000マイルが貰えます。ソラチカ等の一般カードだと1000マイルですから、2倍もらえます。
- 充実した旅行保険が自動付帯。
- これは直接マイル獲得には関係ありません。旅行保険に関してだけはANA JCBゴールドの方が充実度が高いです。
この連載ではソラチカの保有優先順位が1位なので、同時持ちができないANA JCBゴールドは選択肢に入りません。もちろんソラチカと比べればANA VISAゴールドの旅行保険は雲泥の差です。クレジットカードの旅行付帯保険に関しては以前書いたエントリ「海外旅行傷害保険について −大人なのでクレジットカードの付帯保険を勉強してみました−」を参照してみてください。
- これは直接マイル獲得には関係ありません。旅行保険に関してだけはANA JCBゴールドの方が充実度が高いです。
この他にも、万一紛失した場合の再発行手数料がタダであるとか、空港のカードラウンジ(しょぼいです 笑)が使えるとか、デスクがつながりやすく頼りになるとか、細々した理由があります。
次に、JCBでもアメリカン・エキスプレス*2でもダイナース*3でもなく、VISA(三井住友カード)を決済のメインに据える理由です。
- マイ・ペイすリボを利用するとポイントが2倍になる。
- これは非常に重要です。次回詳しく解説します。
- 年間決済額に応じて翌年から貰えるボーナスポイントがJCBと比べて2倍。
- 前回、年間決済額100万円にこだわったのはこれが理由です。JCBでも年間決済額(50万、100万、300万で分かれる)に応じて翌年からボーナスポイントがつくというものがありますが、VISAの方が2倍程度多いのです。JCBカードだと100万円・300万円決済したとしても、翌年の実質還元率は1.09%程度にしかなりませんが、VISAゴールドで100万円・300万決済し、前項のマイ・ペイすリボも併用すれば、翌年の実質マイル還元率はそれぞれ、1.58%、1.71%に跳ね上がります。アメリカン・エキスプレスゴールド(年会費32550円)、ダイナース(年会費21000円)に至っては決済額がいくらになろうとも還元率は1%で固定です。*4
- 年会費を安く抑えることができる。
- 同じゴールドカードでもVISAと他とで最も違う点がここです。VISAのゴールドカードは、次回で詳しく解説するマイ・ペイすリボへの登録と、WEB明細サービスへの登録とで、通常14000円+消費税の年会費が、9500円+消費税になります。他のANAゴールドカードには年会費の減額制度はありません。
- 付属するiDも含めて、キャンペーンがいつも充実している。
- これも他の比ではありません。毎月、明細チェックのついでにキャンペーン内容に目を通しておくことをオススメします。
結論として、ANA JCBゴールドカードは年会費が高いだけでメリットはほぼ皆無、しかもソラチカとの同時保有が無理。ソラチカを既に持っていればANA VISA Suica等の一般カードを決済カードとして使う意味もありません。しかし、ANA VISAゴールドカードはメリットの塊なんです。
ゴールドカードの審査基準は、原則として「満30歳以上」「本人に安定継続収入がある」ということになっていますが、カードの審査は各社とも完全に謎のベールに包まれています。どんなに年収が高くても落ちるときは落ちるし、えっ?と驚くような低属性の人でも通るときは通ります。条件を満たしていなくてもダメ元でチャレンジしてみてください。
■申込時の注意
ワールドプレゼント(三井住友カードのポイント)のマイル移行方式は「自動方式」と「応募方式」の2種類があります。カード申込時にいずれか選ぶのですが、これは応募方式にしてください。自動方式は毎月何もせずにワールドプレゼントがマイルに移行されるので、一見すると手間がかからず便利なように思えますが、「ANAマイルの有効期限は3年」というルールがあるため、非常に不利なのです。
たとえば3年間自動方式で貯めたマイルが、万が一目標とする特典航空券の必要マイルに足りなかった場合、3年後から毎月ぼろぼろとなし崩しに失効していってしまうのです。こうなってはいくら頑張ってもザル状態です。また、逆に、目標マイルを遙かに上回るマイルを自動方式で獲得してしまった場合(本連載を全部実践したらこちらになる可能性の方が高い)、使い切れなかったマイルがやはり毎月失効していってしまいます。これを防ぐには、必要な時に必要な数だけ、ワールドプレゼントをまとめて移行する応募方式にするのが有効です。
また、ANAマイルの有効期限3年とワールドプレゼントの有効期限3年はそれぞれ独立しているため、3年間貯めたワールドプレゼントを失効前にまとめてマイル移行すれば、そこからさらに3年間、マイルとしての有効期限が延びる形になります。これは是非覚えておいてください。
もう一つ、マイ・ペイすリボの登録申請をカード申込時に必ずおこなってください。これは今現在やっている入会キャンペーンの必要条件を満たすためです。うっかり「マイ・ペイすリボを登録しない」にチェックマークを入れて申し込むと、1万マイルをドブに捨てることになりかねません。
■カード到着後にやること
Vpassに登録してください。Vpassからは、マイ・ペイすリボの金額設定などができます。莫大なマイルを生む新規入会キャンペーン登録などもVpassから行います。
現在行われている新規入会キャンペーン*5「入会後3ヶ月でiDの利用3万円以上で1万マイル」「マイ・ペイすリボに登録&入会後3ヶ月で10万円以上決済で1万マイル」を両方クリアすれば計2万マイルが貰えます。忘れずにキャンペーンにエントリーして条件を満たしてください。
次回は陸マイラーなら誰もが知っているマイ・ペイすリボによるボーナスポイントの錬金術について解説します。
追記:マイラーブログ始めました。
kowagari.hateblo.jp
kowagari.hateblo.jp
*1:「繰り上げ返済」をフル回転させれば利用限度額は事実上無制限となりますが、常に限度額とにらめっこをし続けなければならず、手間がかかります。利用限度額の上限が厳しいJCB(ソラチカもこれにあたる)しか持っていない陸マイラーはこの繰り上げ返済をやっている人が多いです。
*2:アメリカン・エキスプレスは大盤振る舞いの入会キャンペーンで有名です。ゴールドが初年度年会費無料ということも多々あるので、いい条件の新規入会キャンペーンが行われていたら、ANAアメリカン・エキスプレスゴールドカードを発行してみることもオススメします。「新規入会後3ヶ月で50万円決済なら45000マイル」みたいなキャンペーンがよくあります。その期間だけアメックスを集中して使えば、大量マイルを稼げます。そして翌年に年会費が発生する前に解約してしまえばいいのです。解約希望の電話をデスクに入れると、必ず「解約阻止部隊」に電話が回され、「翌年の年会費免除」「3ヶ月間ポイント2倍」などの好条件を提示されます。トラベル&エンターテインメント分野では非常にサービス内容のいいカードですから、よく吟味して解約か継続か決めてください。
*3:実質的にANAダイナースカードはゴールドのカテゴリに入ります。年会費21000円
*4:ANAダイナースプレミアム(プラチナカード相当)だけは破格の還元率2%を誇りますが、年会費が12万6千円かかるので現実的ではないでしょう。そもそも審査に通りません。
*5:新規入会キャンペーンは常時何らかが行われており、今回のものは「貰えるマイルはかなり少ないが条件は比較的緩い」という感じです。大盤振る舞いの時は3〜4万マイルほど手に入るときがあります。当然ハードルは高くなるんですが。