【連載】 飛行機に一度も乗らずに年間12万マイル稼ぐ 第3回「ソラチカ」


前回登録したハピタスを経由して、ANA ToMe カード Pasmo JCB、通称「ソラチカ」を発行します。

ソラチカは基本的には決済に使いません。

カードが発行され、手元に届いたら、メトロポイントPlusに申し込みます

「え? カードわざわざ作るのに、決済には使わないの?」と思われるでしょう。ええ、少なくとも自分はほとんど使っていません*1。決済によって貯まるOkiDokiポイント(JCBのポイントです)をANAマイルに移行する際、手数料で5400円*2もお金を支払わなければいけないので、「やったー、1000ポイント貯まったー。さあ早速マイルにしよう〜」と気楽にはできないんですね。このカードは基本的には、ポイントの中継基地として機能させた方がいいです。中継のためだけに2160円の年会費を払うのは惜しいかもしれませんが、これは必要コストです。毎年年会費発生と同時に継続マイルと称して1000マイルがもらえるので、1000マイルを2160円で買ったと思えば安いものですし、各種ポイントサイトの移行率を考えたらお釣りがくるどころでありません。

では「ポイントの中継基地」というのはどういうことなのか。

前回登録したハピタスのポイントは、順繰りにハピタス→PeX→メトロポイント→ANAというルートでマイルに移行します。別の言い方をすると、ポイントを別のポイントへと交換していくのです。その際に移行率による目減りがあり、元のポイントの約0.9倍相当のマイルになります。ルートに含まれているメトロポイント、これを使うために絶対必要なのがソラチカということになります。ちなみにこのルートでの移行は、OkiDokiポイント→ANAという移行ルートとは違い、移行手数料としてお金を取られることはありません。

このソラチカというカードは新設された当時、陸マイラー界に激震が走ったんですよ。というのは、ソラチカがなかった時代、従来ルートの移行では0.5倍以下にポイントが目減りしていたからです。ハピタスで稼いだ1万ポイントが、5000マイル以下にしかならなかったんです。これでは楽天ポイント→ANAと同率で、何のうまみも感じられません。ソラチカによるメトロポイント移行ではこれが0.9倍。ハピタスで稼いだ1万ポイントが約9000マイル(正確には8910マイル)になるんです。新設当時、ANA陸マイラーは全員飛びついたと言っても過言ではありません。

ちなみに自分は陸マイラー初年度で29万5千マイルを稼ぎ出したと第1回でお話ししましたが、この当時にもしもソラチカがあったとすると、計算上40万マイルを超えていたことは確実です。それくらい強力なカードなんです。

ソラチカ以外にもメトロポイントを扱えるクレジットカードは複数存在しますが、メトロポイント→ANAマイルで0.9倍移行を可能にしているのはソラチカだけです。年間12万マイル達成のための強力な武器となります。このカードの審査に落ちて入手できなかった場合、ハピタスポイントの移行率は0.5倍となるため、12万マイル達成へのハードルはかなり上がることになります(不可能ではありませんけどね)。

■ ソラチカ最大の弱点

完全無欠とも思えるソラチカですが、弱点もあります。それは、移行スピードの遅さ毎月の移行上限です。

ハピタス→PeX→メトロポイント→ANAという移行ルートのうち、ハピタスからPeXへの移行にかかる日数は約3日。すぐに移行できます。しかし、PeXからメトロポイントへの移行と、メトロポイントからANAマイルへの移行にはそれぞれ最大で60日、計120日もかかってしまう場合があるのです。なんと4ヶ月……。1年で12万マイル貯めなきゃいけないのに、4ヶ月も移行にかかるとなると、実質的には残りの猶予は8ヶ月になってしまいます。*3

さらに恐ろしいことに、メトロポイント→ANAマイルの移行には制限があり、1ヶ月に1回、最大2万メトロポイント(1万8千マイル)ずつしか移行しかできません。「よーしメトロポイントが14万貯まったぞー。 これを一気にANAマイルにして、12万マイル達成だー!」とはいかないのです。この場合、全部移行するには実に7ヶ月もの日数を必要とします。

この2つは肝に銘じて、特典航空券の空席を押さえる時点でしっかり目標数のマイルが移行済みとなるよう、計算しつつ移行していく必要があります。

■ 発行後にやること

ソラチカが発行されたら、メトロポイントをオンライン上でANAマイルに移行できるようにするため、メトロポイントPlusというものに登録しておいてください。また、JCBのOkiDokiポイントを扱えるようにするため、MyJCBの登録もしておきます。

東京メトロに毎日のように乗る人はPasmoとして使うことは推奨できます。その場合はメトロポイントが貯まり、これを直接0.9倍でANAマイルに無料移行できます。

Pasmoのオートチャージによって発生するOkiDokiポイントをANAマイルに高率で移行するには、先ほど書いたとおり5400円の移行手数料がかかります。

2015年4月30日までにハピタス経由でソラチカを申込み、5月31日までにカードの発行が完了すると、まずは入会特典として2000マイル。その後、メトロポイントPlusの登録で500メトロポイント、ハピタスポイントが6500ポイントがもらえ、移行が済めば最終的な合計は約8350マイルになります。

■ 決済カードはどうするのか

ソラチカを決済に使わないとすると、日々のカードでの買い物等はどうすればいいのか。オススメしたいのはANA VISAゴールドカードなんですが、年会費が高いのと、一般カードよりは審査のハードルが高くなるので、次回は年間決済額についてのお話しをします。年間決済額のおおよその予想によって、次の二択が望ましいと考えています。*4

  • カードはソラチカだけにして、日々の決済もソラチカでおこなう。
  • 新たにANA VISAゴールドを発行して、ポイントの中継基地はソラチカ、カード決済はANA VISAゴールドにする。

追記:マイラーブログ始めました。

*1:クレジットヒストリーのことを勘案して、少額でもいいから毎月いくらかは決済しておいた方がいいです。毎月きっちりと支払いがなされているという記録はCICの個人信用情報として蓄積され、他の金融機関、クレジットカード発行会社から参照されます。クレヒスがしっかりしている人はカードやローンの審査に通りやすくなります。

*2:実は移行手数料は当初2000円(税別)だったんですが、2015年4月以降は5000円(税別)に改悪されたんです。今からソラチカを発行しても2015年4月までに貯まるOkiDokiポイントは微々たるものですから、値上げ前に2400円で駆け込み移行しても金の無駄です。

*3:PeX→メトロ、メトロ→ANAともに移行申請の締め日が15日となっており、PeX→メトロは翌月11日頃、メトロ→ANAは翌月8日頃に移行が完了します。例として1月14日にPeX→メトロを申請すれと、1月15日締めになり、翌月2月11日頃にメトロへの移行が完了。2月15日までにメトロ→ANAを申請すれば、3月8日にはANAマイルへの移行が完了します。締め日の存在を意識して移行申請すれば、最短で55日程度で移行できます。

*4:管理の面倒を厭わなければ、決済に向いているカード(漢方スタイルカード等)をもっと増やしていっても、もちろんいいですし、多くの陸マイラーはそのようにしています。本連載ではなるべく面倒を省く方向性だというだけです。